これまでの研究に基づいて,まずネットいじめを含む文書(書き込みなど)の前処理として,感情解析用のシステムをオープンソースとして公開しJournal of Open Research Softwareにて発表した.また,感情解析の結果を含むネットいじめ書き込みの分析実験の結果の対照的分析を行い,Technical Transactionsにて発表した.さらにネットいじめ検出方法の最適化実験の一つとして以前に用いた文法的素性のほかに意味的(セマンティック)素性を用いて実験を行い,その結果をJournal of Advanced Computational Intelligence and Intelligent Informaticsにて公開した.実験結果としてネットいじめ検出においては意味的素性は文法的素性より低い結果をもたらすことが分かった.さらに,本研究課題にて作成したシステムをID交換掲示板における有害な書き込みの検出にも応用し,開発システムのSNS上の性能を確認することができた.また,ネットいじめの書き込みでは,顔文字や曖昧な表現が頻出し分析は困難であるため,書き込みにおける顔文字及びその意味曖昧性を推定するシステムを開発し8th Language & Technology Conference (LTC)国際会議にて研究成果発表会を行った.さらに,これまでに日本語のために開発してきた技術をほかの自然言語のひとつであるポーランド語にも応用し十分な結果を確認し,8th Language & Technology Conference (LTC)国際会議にて成果発表会を行った. 開発したシステムの検出性能をより向上させるために,畳み込みニューラルネットワークをベースにした深層学習の手法まで応用し,さらに性能向上を行うことができ検出結果を93.5%まで引き上げることができた.
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