研究課題/領域番号 |
15K16049
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松崎 拓也 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40463872)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 言語処理 / 文法開発 / 日本語 / 構文解析 |
研究実績の概要 |
組合せ範疇文法による日本語文法の記述および内容語・機能語の辞書の拡充を進め,構文解析系の開発を行った.文法記述に関しては,特に,動作とその結果の表現,複数のモノを表す名詞句にまつわる種々の意味現象の分析,項を取る名詞(不飽和名詞)を含むさまざまな構文の分析などを重点的に行った.これらの現象はテキストジャンルを問わず普遍的に現れるものであり,かつ,文の意味内容の論理的把握のためにはその精緻な解析が必須となる.また,文内の論理構造解析のための文法開発に加え,文と文の間の意味関係がなす談話構造の表示に関して,実テキストを基にした分析を行い,比較的少数の文結合オペレータの組合せで多くの構造が表示可能であるとの予測を得た. 構文解析系は実際に開発した文法を用いる言語処理システムの基盤であるとともに,文法開発の過程でも文法の整合性テストや未収録の語彙・用法を収集するツールとして必須のソフトウェアである.本年度はこれまで多くの研究がある文節単位の係り受け解析を組合せ範疇文法による解析の前処理として用る2ステップ構文解析の実装および改善を行った. その他,辞書検索・テキストベース検索・構文解析結果の表示など文法開発のための基本的なツール群の開発・整備を進め,効率的な開発を可能とする環境づくりを行った. また,組合せ範疇文法による文解析の結果得られる意味構造を想定した形式的意味表示データを人手により作成し,現実的な時間で意味処理が可能であるか検証する予備的実験を行い,その結果を国際学会2件で発表する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
種々の技術的課題はあるが,おおむね順調に解決を進められているため.
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今後の研究の推進方策 |
文法開発と実テキストによる検証サイクルを確立し,効率的な開発を進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定した研究支援員の雇用を次年度以降に繰り下げたため
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次年度使用額の使用計画 |
研究支援員1名を雇用し,当初予定に次年度使用額を併せた予算で勤務体制を設定する
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