研究課題/領域番号 |
15K16070
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長濱 虎太郎 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (10736698)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 情報工学 / ロボット工学 |
研究実績の概要 |
本研究では,専門知識を持たないユーザが,生活支援ロボットへ作業内容をその場で教え,肩代わりさせるために,人が古来より形状や動作の情報伝達に用いられてきた,ある事物に他の事物の像を重ね合わせる技法である「見立て」を用いて,物体操作指示をおこなうシステムの開発に取り組んでいる.初年度である本年度は,まずセンサシステムの構築に取り組んだ.本研究における入力データとなる,人の手元やロボットの手元を観測した時系列データを,高解像度かつ高頻度で取得できるように,カラーステレオカメラと高解像度・高フレームレートのカラーカメラの双方を有する複合ビジョンヘッドを製作した.次に,複合ビジョンヘッドを等身大ヒューマノイドロボットプラットフォームへ統合した.このヒューマノイドプラットフォームを用いては,農作業における果実収穫という具体的な日常支援タスクを例として,簡易操作指示と動作生成システムの構築に取り組んだ.複合ビジョンヘッドから得られる情報から,ユーザがロボットへグラフィカル・ユーザ・インタフェースを用いて簡易指示するシステムを構築し,実際のタスクで評価することで,複合ビジョンヘッドの評価をおこない,見立てにおいて抽出すべき情報について検証するとともに,最終評価実験のための基盤システムを構築した.さらに,製作した複合ビジョンヘッドを用いて,形状に関する人の見立てをロボットが解釈するための視覚システムの基礎として,人の手元の形状変化の認識に取り組んでいるところである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
見立ての入力データを得るための複合ビジョンヘッドの製作,および等身大ヒューマノイドプラットフォームへの統合が完了し,見立てによる操作指示の統合評価をおこなうための基盤システムの構築が完了しているため.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,ロボットへ形状の見立てを理解させるためのシステムの確立および,時系列データから軌道の見立てを理解させるためのシステムへの発展へ取り組むが,形状の見立て解釈における成功率が低い場合には,低次視覚特徴に基づいて軌道の見立て方を先に推定し,そこから形状の見立て方の推定の補助をおこなう手法を検討している.
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次年度使用額が生じた理由 |
視覚特徴を用いた深層学習に使用する計算機の次世代機の発売が予想より遅れたため,年度内は既存の計算機を利用し,次年度に最新型の計算機を導入し研究を加速することとしたため.
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次年度使用額の使用計画 |
視覚特徴を用いた深層学習に使用する最新型の計算機を導入し,研究を加速するために用いる.
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