研究課題/領域番号 |
15K16073
|
研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
奥野 弘嗣 大阪工業大学, 情報科学部, 講師 (30531587)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 視覚情報処理 / 神経模倣 / 知能ロボット / 昆虫 / 飛行ロボット |
研究実績の概要 |
本研究は,昆虫の視覚神経回路に学び,視覚情報から自己の運動状態や飛行経路,周囲との距離を把握するシステムを開発すること,及びこのシステムを活用して屋内(GPSが利用できない)未知環境を探索する自律飛行ロボットを開発することを目的としている.本年度は,昨年度開発した小型視覚情報処理・モータ制御システムに搭載されたFPGAへの,画像処理アルゴリズムの回路実装(1),並びにモータ駆動システムの回路実装(2)を行った.加えて,オプティカルフローから6自由度の運動を推定するアルゴリズムの改善(3)を行った. (1)では,局所速度検出の際に必須となるカーネルサイズの大きなガウシアンフィルタのFPGA実装を行った.カーネルサイズの大きな空間フィルタは,逐次型の演算装置では計算量が大きくなるため高速処理は困難であるが,並列演算を活用することにより,160x120画素の入力画像に対し,100フレーム/秒の速度でカーネルサイズ17x17のフィルタリングが行える回路を設計した. (2)では,ブラシレスモータの位相を検知し,駆動信号を生成する回路の実装を行った.設定したデューティー比で,適切な回転数を持った回転を生み出す回路を設計した.この時必要となるモータの回転角の検知は,モータの回転によって発生する逆起電力を測定することにより行った.この回路に,昨年度開発したモータドライブ回路を介してブラシレスモータを実際に駆動することにより,動作検証を行い,正常動作を確認した. (3)では,自機の運動によって生じる理想的なオプティカルフローを元に,空間的な統合方法を工夫することにより,より高い精度で運動状態を推定できるアルゴリズムを開発した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は,代表者の所属の異動が発生したため,異動先での研究・開発環境の構築が必要となった.このため,従来予定していた自己運動推定アルゴリズムのプロトタイプ回路が開発途中となっている.本年度で環境構築等は終了したため,今後は計画に沿って研究を進めていく予定である.
|
今後の研究の推進方策 |
自己運動推定アルゴリズムの回路化を進める.また,作成したアルゴリズムや回路を評価するための視覚刺激動画の作成や,実環境試験用のドローン機体の製造を,研究協力者(学生)と協力して推進する.
|
次年度使用額が生じた理由 |
本年度は,代表者の所属の異動が発生したため,異動先での研究・開発環境の構築が必要となった.このため,研究の進捗に若干の遅れが生じ,未使用の研究費が発生した.
|
次年度使用額の使用計画 |
小型飛行ロボット・アルゴリズム開発を効率よく進めるための機材費や,研究協力者(学生)に支払う人件費に充てるとともに,研究成果発表用の旅費として活用する.
|