研究課題/領域番号 |
15K16074
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研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
杉浦 孔明 国立研究開発法人情報通信研究機構, 先進的音声翻訳研究開発推進センター先進的音声技術研究室, 主任研究員 (60470473)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 知能ロボティクス / 模倣学習 / 機械学習 / 動作認識 / ヒューマンロボットインタラクション |
研究実績の概要 |
行動と対話の学習は、ロボットの知能の高度化にとって根源的な課題である。本研究は、多種多様な動作の共通知識を利用する模倣学習手法を開発するとともに、クラウドロボティクス基盤による動作と対話の学習を実現することを目的とする。 本年度は、生活支援ロボットHSRに基づく実験プラットフォームの構築に取り組み、スマートフォンを介した音声対話により日常タスクを指示可能とした。さらに、これまでに構築済みのクラウドロボティクス基盤rospeexを高度化し、rospeex3として公開した。Rospeex3は、大規模コーパスを用いて学習されたモデルを利用可能である。また、不確実性がある状況において相互情報量を最大化するセンサ配置最適化手法を開発した。 本年度の学術的成果としては、システム制御情報学会誌において模倣学習に関する解説論文を発表するとともに、計測自動制御学会誌において実世界知識に基づく音声対話に関する解説論文1件、電子情報通信学会誌においてクラウドロボティクス基盤の構築に関する解説論文1件を執筆した。また、国内および国際会議における招待講演を通じて技術知識の普及に努めた。 成果の実証として、生活支援ロボットHSR上に音声対話システムを実装し、1万種類以上の消耗品の知識について音声対話が可能なシステムの展示を行った。また、成果の社会展開として国際的に公開済みであるクラウドロボティクス基盤rospeexが4万ユニークユーザを達成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度は、初年度に提案した手法を生活支援ロボット上に実装し、有効性を検証した。また、これまでに得られた成果についてジャーナルに3件の解説を執筆するなど、学術的成果も得られている。また、センサ配置に関する新規手法を提案するとともに、オープンソース化したソフトウェアが大規模ユーザに使用されるなど、社会展開面からも順調である。
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今後の研究の推進方策 |
概ね順調に計画を遂行しており、現在のところ予定外の変更はない。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初代理で出席予定であった海外出張について、先方都合により代理の必要性がなくなり、出張がキャンセルされたたため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に国際会議に出席し、本研究で得られた知見について意見交換を行う。
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