研究課題
本年度は、流体計算機実験に関しては、実験系も昨年度までに設営が完了し、あとはファラデー波の情報処理能力の系統的な実験を行うのみという状況である。これら系統的な実験に乗り出す前に、これまでに取得した実験データとそれに基づいた解析結果に関して、まずは論文にまとめる作業を完了することからスタートすることを考えた。物理系のダイナミクスをレザバーとして活用する際、実験系の拘束条件により、系の挙動の観測は制限されるのがほとんどである。このように系の挙動の観測が制限されていても、系の情報処理能力を最大限引き出す手法として、時間多重化法という手法の効果を検証した。この方法では、入出力関係と物理系のタイムスケールの違いを利用して、計算素子数を多数確保するという手法である。検証には、タコ足型ロボットの実験データを用い、どの程度計算能力が向上するのかを定量的に評価した。すると、10個のセンサー系列に対し、時間多重化法で計算素子数を増やすことで、タスクによっては、通常のecho state networkのノード数200個分程度の計算能力が誘導できることがわかった。また、時間多重化法の対概念である空間多重化法の効果も量子レザバーを用いて検証し、ここでも計算能力の向上を確認した。次に、流体タイマーの解析を詳細に進める前に、流体のデータの調製を行ったが、想定された以上の多様な表現能力が確認できた(パルスを絶たせるのみならず、複雑なパターンを学習できることがわかった)ので、タスクの種類を当初計画していたよりも増やし、十分に流体のダイナミクスの情報処理能力を検証するために、解析も新たに増やすことにした。この解析についてはは、現在結果をまとめている段階にあり、完成次第、論文として発表する予定である。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 3件、 招待講演 4件)
Soft Robotics
巻: in press ページ: in press
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In Robotic Systems and Autonomous Platforms (Elsevier)
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