| 研究課題/領域番号 |
15K16082
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| 研究機関 | 東京工業大学 |
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研究代表者 |
石田 貴士 東京工業大学, 情報理工学院, 准教授 (40508355)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | 顧みられない熱帯病 / シャーガス病 / 創薬標的タンパク質選択 / タンパク質立体構造予測 / ランキング学習 / タンパク質ポケット探索 |
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| 研究実績の概要 |
「顧みられない熱帯病」などの感染症向け創薬で問題となる創薬標的タンパク質の選定のための技術開発を行った。
まずシャーガス病を引き起こす寄生生物であるトリパノソーマ原虫trypanosoma cruziについて、繁殖地域の違いなどで薬効の差を引き起こす原因の一つである株間の変異の情報を、既にゲノムが読み取られた７つの株について計算し、薬剤標的としては不適なタンパク質を同定する技術を開発した。また、それらの変位情報をタンパク質の立体構造情報上にマッピングし、webインターフェースから確認可能とするシステムを開発した。
また、タンパク質構造から創薬において重要なポケット領域を予測するための手法の開発を行い、深層学習の一つである３次元の畳み込みニューラルネットワークを用いることでタンパク質の注目する範囲に薬剤などの結合部位となるポケット領域が存在するかどうかを予測する手法を開発し、ROCカーブ下面積で0.9を超える高精度の予測を達成した。
株間変異の情報などが加わったことで、さらに参照可能な情報が増加し、これらの情報を利用者が適切に利用することが困難な状況となっている。そのため、昨年度に引き続き利用者にとって望ましい標的を推薦するシステムの開発を行い、ランキング学習以外に情報検索の分野で用いられている適合性フィードバックの技術を用いた手法を開発した。また、これらの機能を利用者に提供するためのwebインタフェースの開発を行った。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
タンパク質立体構造からポケット領域を予測するための技術の開発に想定よりも時間がかかったため、構築した全ての立体構造モデルについてポケット領域を予測して提供することが未だに達成出来ていない。ただし、この問題は一旦独自技術の利用を諦めて既存の手法を利用することで対処が可能であり、既にそのための計算を開始している。
それ以外のデータについては、株間の変位情報など当初想定した以上のものを構築できており、これらを参照するための良いユーザインタフェースができれば有用なシステムとして提供が出来ると考えている。しかし、現時点では各機能ごとに別のユーザインタフェースが開発されてしまっている状態で、これらを既に公開されているwebシステムであるiNTRODBに統合して利用者に提供していく必要がある。
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| 今後の研究の推進方策 |
当初の計画で予定した機能についてはポケット領域情報の提供を除いて全て達成されている。そのため、進捗状況に書かれたとおり、今後は利用者らと十分なコミュニケーションをとることで、より良いユーザインタフェースの開発を行い、またデータの定期的な更新が可能となるようにシステムの開発、メンテナンスを行う予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定通り創薬標的タンパク質選定を効率化するためのシステムの開発が完了しつつ有るが、本研究に関する対外発表がまだ十分に行われておらず、論文化のための費用、投稿料等が必要となるため。
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| 次年度使用額の使用計画 |
論文化のための英文校正費用、投稿料を予定。また、学会でのポスター及び口頭発表に必要となる参加費、旅費への使用を予定。
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