研究実績の概要 |
研究実施期間は、平成27~28年度、及び延長期間の29年度を含む3年間であった。この3年間で、100人近い被験者の心電図データ、呼吸データを計測した。本研究の目的は、睡眠ポリグラフ計の様な多数のセンサーを使うことなく、心電図電極のみで呼吸波形を推定し、精度良く呼吸rateを計算することであった。そのために、従来の心電図誘導法以上に効率よく呼吸を推定できる誘導法を検討してきた。科研費取得以前の研究から、胸郭下部に電極を配置すると精度の良い呼吸波形が推定できることは把握していたため、本研究では重点的に胸郭下部への新たな電極配置を試みた。12の誘導法を提案し、従来の誘導法(NASA誘導、CC5、CM1,CM2,CM4,CM5)との比較も行い、従来の心電図誘導法に比べ、精度良く呼吸波形を推定できる誘導法を構築することができた。しかしながら、平成30年5月の段階で、本研究を論文誌に掲載するには至っていない。それでも、論文自体の執筆は進んでおり、本報告後まもなく国際学会論文誌に投稿予定である。(ただし、研究実施期間中に、科研費取得前に計測したデータを用いて、同目的の研究に関する論文を1本執筆し、論文誌に掲載されている。) また、心電図誘導法のみならず、心電図からの呼吸推定法のアルゴリズムそのものの研究にも取り組むことも、実施期間中に計画した。この計画実施にあたって、心臓ベクトルのx,y,z軸それぞれの方向の伝搬を測定する複数の誘導法での心電図計測を行い、データを収集した。これらのデータを基に、どのような誘導法であっても、安定して精度良く呼吸推定を行うとこができるアルゴリズムを開発することを計画し、現在も研究を継続している。今後、論文を執筆し、発表する予定である。
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