平成30年度は,ICT機器を用いた教育支援の有効性を調べることを目的として,以下のようなタブレット用アプリケーションを開発し,教育効果の評価を行った. (1) 小学生向けのプログラミング学習アプリケーションを開発した.このアプリケーションでは,マップ上を動くキャラクターに対する移動・方向転換命令や,繰り返し動作,条件付き繰返し動作の書かれたカードを適切な順序に並べて,キャラクターを目的地まで導くプログラムを作成することにより,プログラミングの概念を学ぶことができる.このプログラミング学習アプリケーションによって,プログラミングの基礎となる繰り返し動作などを小学生に理解させることができるか確認するために,このアプリケーションを使用したプログラミングの講座を実施し,タブレット用アプリケーションによる教育支援の有効性を評価した. (2) 硬貨による代金支払いを題材とした論理的思考力育成アプリケーションを開発した.このアプリケーションでは,与えられた条件を充足する解を模索させることによって,論理的思考力を育成できることが期待される.このアプリケーションを小学生に利用してもらい,アプリケーションを使用することにより解けるようになった問題について調査することや,アプリケーションの操作性などに関するアンケートを実施することなどによって,アプリケーションの評価を行った. 平成29年度までの研究により得られた知見に基づいて,タブレットによるアドホックネットワークを構築し,相互に直接通信を行うことによって,上記のようなアプリケーションを使用した教育を,Wi-Fi環境が整備されていない学校においても効果的に実施することができると考えられる.
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