クラス内でグループ編成されるプロジェクト型授業では,プロジェクト活動が不得手や意欲的でない学生も含まれる.本研究ではこのようなプロジェクト型授業に対し,プロジェクト活動が成功し易くなるためのプロジェクト型学習(PBL)用のゲーミフィケーション 理論を開発し,実践適用することを目的とする. 平成29年度では,プロジェクト型授業に実践的に適用可能な基盤システムを用いて,実際のPBL授業への適用とその評価を実施した.さらに,その研究成果をまとめて,学会で成果発表を行った. 平成28年度で構築し利用してきたプロジェクト型学習活動基盤システムでは,対象としてきた代表者所属の情報環境のなかで授業内での運用が可能であったものの,平成29年度では新たな情報環境においてPBL授業を実施する環境が異なることを余儀されたため,改装する必要があった.そのため,本年度はこれまで開発してきたプロジェクト型学習活動の支援機能を,独自で開発してきたWebアプリケーションでなく,新たな情報環境のなかで使用されている一般的なラーニングマネージメントシステム上に機能を実装した.次に,大学院生39名が登録しているソフトウェア工学に関する科目のなかでPBL授業を実施し,開発システムを運用することで,アンケートと学生の活動データをもとに統計的手法を用いて,これまで開発してきたPBL用ゲーミフィケーションモデルの有効性を調査し,確認した.
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