平成29年度は、昨年度までに開発した補助骨姿勢最適化アルゴリズムおよび補助骨制御モデルの学習アルゴリズムを、ブレンドシェイプリグや仮想筋肉リグなどの既存のスケルトンベースリグから補助骨リグへの自動変換を行う技術に拡張した。具体的には、線形ブレンドスキニング法の理論的特性を踏まえた例示データの適応的サンプリングアルゴリズムを開発するとともに、計算の並列化・効率化に取り組むことで、高自由度なキャラクタモデルでも効率的にリグ変換できるシステムを実現した。その際、一部の研究課題や実験を国内ゲーム開発企業との共同研究として実施することで、実制作現場における実用性を検証した。この成果は、コンピュータグラフィックスとゲーム開発技術に関する著名な国際会議であるACM SIGGRAPH Symposium on Interactive 3D Graphics and Games 2018へ投稿している。
3年間の本研究期間を総括すると、ACM SIGGRAPHを始めとする国外有力誌や有力学術会議への論文採択、国内誌論文賞の受賞、産業界との連携への着手など、当初計画を十分に満たす成果が得られた。また、企業との共同研究の実施は計画以上の展開であり、今後の研究計画策定においても有用な意見が得られている。なお、一部の研究目標については、本年度実施した課題を優先すべきことが判明したことから、予定を組み替えることで次期計画に発展的に先送りした。
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