土壌炭素におけるプライミング効果(PE)と温度環境の関係を明らかにするとともに、土壌炭素分解の温度係数(Q10)に及ぼすPEの影響を明らかにすることを目的とした。アロフェン質黒ボク土を用いた結果、PEは明確な温度依存性を示さず、15℃で最も高いPE値を示し、25℃と35℃ではいずれも負のPE値を示した。コントロール区とセルロース添加区でQ10に有意差が認められないことから、少なくともアロフェン質黒ボク土ではPEがQ10にそれほど影響を及ぼさない可能性が高いことがわかった。さらに、各温度条件におけるPEは培養後土壌の微生物バイオマス量とは明確な関係を持たないことも明らかとなった。
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