本研究では、海洋貯熱量の変化にのみ起因して変動するAr濃度変動を利用して、大気中O2・CO2濃度変動に基づく海洋と陸上生物圏のCO2吸収量の推定精度を向上させるために、大気中Ar濃度の計測システムを構築し、標準偏差1sigmaで21 per megの精度での測定を可能にした。さらに、南極昭和基地で観測したO2、CO2濃度の長期変動を解析することにより、2000-2016年の平均として、海洋と陸上生物圏のCO2吸収量はそれぞれ2.4±0.8、1.6±0.7 GtC/yr(1 GtCは炭素換算で10の12乗kg)と推定した。
|