河川から高頻度に検出され、細胞内にポリリン酸を蓄積する能力を有する浮遊細菌が、河川のリン循環においてどのような役割を担っているのかを解明するため、定期観測及び実験的解析からその寄与を推計した。 高感度検出法及び次世代シーケンサーを用いた菌叢解析では、ほぼ全ての河川水試料から一定の割合で検出されたことから、優占種であることが明らかとなった。蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブを用いた検出法による現存量推定、および純粋分離株を用いた培養実験による単位細胞当たりのリン酸態リンの取り込み量の測定から、この浮遊細菌が河川水中のリン酸態リンのおよそ0.6%の動態に寄与していると推計された。
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