DNA損傷トレランス(DDT)をターゲットとした分子標的治療の可能性を示すことを目的として、DDTに関連する分子の一つであるREV7の生理的機能の解析を行った。精巣胚細胞腫瘍細胞株ではREV7が高発現しており、REV7をノックダウンすることで細胞増殖が低下し、シスプラチンに対して高感受性を示した。さらに、REV7ノックダウン細胞では、シスプラチン処理によりヒストンH2AXのリン酸化および切断型PARPの増加が認められた。CRISPR/Cas9システムを用いてREV7をノックアウトしたところ、シスプラチン感受性細胞だけでなく、シスプラチン耐性細胞に対してもシスプラチン感受性を高めることができた。
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