本研究では、マコンブ配偶体(♀)の細胞内の脂質変化から、生殖生長(卵形成)に関わる脂質のホルモン作用を検討した。卵形成度合(成熟度)の増加に伴い、フコステロール、C14:0、C18:1n9、C18:3n3及びC20:3n3の含有量が減少することが分かった。この内、C14:0及びC18:1n9は、TAG中に局在しており、卵形成におけるエネルギーとして代謝されたと考えられる。フコステロールは生長シグナル分子として、ω3系の多価不飽和脂肪酸は性フェロモンとして代謝されたと考えられる。 なお、細胞外のフコステロールによる生殖生長の誘発は確認されなかった。
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