本研究では(1)西日本の1級水系における魚類の出現パターンに基づき河川を類型化し,(2)各グループに属する河川の平水時の塩分変動と出水時の河床変動をシミュレーションにより算出し,さらに(3)塩分変動および河床変動特性と魚類の出現パターンの関係性を調べた. (1)の結果,27河川は4つのグループに区分された.(2)の結果,河川によって塩分遡上や底面平均塩分の特性が異なっていた.出水による細粒化・粗粒化傾向は,河川間で顕著な違いは見られなかった.(3)の結果,周縁性魚類や汽水性ハゼ類が生息するためには,浅所における汽水域面積がある程度以上必要であることが明らかになった.
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