自然豊かな溜池は地域住民の親水域や希少生物の生息場となっている。しかし,浮葉植物の大量繁茂により水面が覆われて光阻害や貧酸素化が生じ,それらに伴って水中に生息する希少な沈水植物が駆逐され,水生植物相が貧弱化する可能性がある。しかし,水生植物相の貧弱化メカニズムは解明されておらず,適切な管理手法も確立されていない。本研究は,水生植物相の貧弱化が課題となっている福島県白河市南湖を対象とした現地観測と室内実験により,浮葉植物の大量繁茂に伴う水生植物相の貧弱化メカニズムの一端(浮葉植物による光の減衰,水生植物による貧酸素化等)を明らかにした。
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