琉球列島の亜熱帯林において、伐採後の経過年に沿った樹木群集構造の変化を、機能特性情報と系統樹情報を用いて解析し、人為攪乱が群集集合プロセスに及ぼす影響を検証した。その結果、対象地域では確率論的な集合プロセス(例:分散制限等)が卓越しており、伐採に対する植物多様性の応答の予測性の低さが示された。葉や幹の機能特性構造では、伐採後の変動パターンに直径クラス間で共通性が見られた。一方、種子の機能特性構造は、特に若齢林で直径クラス間の変動が大きかった。これは、種子散布戦略に関わる群集集合プロセスの決定論的な改変を示している。本研究の結果から、景観の空間構造を考慮した森林管理計画の必要性が示唆される。
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