本研究は北海道における風力・太陽光発電の大量導入を想定し、電力・熱システム統合によるコスト削減効果をモデル分析によって明らかにした。電力システムにおいて現在のコスト条件を想定すると、電力需要に占める風力発電の割合を大幅なコスト上昇を伴わずに40%まで増やすことができる。電力と熱の供給システムを統合した場合、風力・太陽光発電の割合が40%を超える条件でコスト低減効果が認められ、風力・太陽光発電の割合が高いほどコスト低減効果も大きかった。2030年までの技術進展を想定した場合、余剰電力の熱転換に加えて、燃料電池コジェネレーションも導入されるようになり、さらなるコスト低減が進むことが分かった。
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