海洋で繁栄しているハプト藻や珪藻などは、紅藻由来の葉緑体を持つ二次共生藻類であり、シアノバクテリア由来の葉緑体を持つ緑藻や紅藻とは代謝的に異なる特徴を有する。本研究では、海洋の主要生産者である珪藻を用い、オイル合成に関与すると推定される葉緑体内代謝系の解析を行った。その結果、これまで緑藻や紅藻の葉緑体内には存在しないと考えられいた解糖系を構成する酵素の一部が、珪藻の葉緑体に存在することを明らかにした。さらに、それらの酵素を過剰発現させた株を取得することにも成功した。この過剰発現体を用いた解析を進めることで、珪藻が持つ独自のオイル合成系の解明が進むと期待される。
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