研究課題/領域番号 |
15K16160
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研究機関 | 都留文科大学 |
研究代表者 |
林 公則 都留文科大学, 文学部, 講師 (10649312)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | GLS / 社会的金融 / 贈与 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、GLSグループの実態調査、贈与の社会的意義についての考察、代表的な融資・贈与事業における革新性の検討、日本における社会的金融の実施可能性の検討の4点である。 これらの目的を達成するために、研究1年目である平成27年度には、まず5月にドイツ調査を実施した。ドイツ調査では、GLSグループの本部を訪れるとともに、代表的な融資・贈与事業を調査するために、シェーナウ電力会社(再生可能エネルギー)、ドッテンフェルダー農場(環境保全型農業)、ボーフムシュタイナー学校(自由学校)を訪れ、資料を収集した。GLSグループの本部では、GLSグループの機関紙であるバンクシュピーゲルを入手することができた。 GLSグループ本部でのヒアリングと収集した資料とをもとに9月に環境経済・政策学会で報告をし、それを加筆・修正したものを「社会的銀行における特殊な運営方法 -GLS銀行を参考に-」としてまとめ、一般社団法人環境金融研究機構のHPに掲載させた。 日本における社会的金融の実施可能性を調べるため、9月に沖縄に行き、ふるさと納税と辺野古基金についてのヒアリングを実施した。この成果をまとめて、11月に日本平和学会で報告し、それを加筆・修正したものを「辺野古基金における寄付の意義」として『現代思想』2月臨時増刊号(第44巻第2号)に掲載させた。 3月には、ファンドレイジング日本に参加し、日本の寄付に関する最新の知見を収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書の研究計画に記載した1年目の計画は、すべて実施することができたうえ、一度しか予定していなかった学会報告を二度行うことができた(ただし、そのために予算が足りなくなり、前倒し申請を行うこととなった)。5月のドイツ調査で収集した多数の資料の分析も進んでおり、おおむね順調に進展していると考えた。
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今後の研究の推進方策 |
研究2年目にあたる平成28年度は、平成27年5月のドイツ調査で調査した代表的な融資・贈与事業の詳細をまとめる作業から始める。環境保全型農業のGLSの支援方法をまとめたものを6月の日本ドイツ学会で報告予定である。 出版社との調整ができるかどうかが一番の課題であるが、平成28年度中にこれまでの成果をまとめてGLSグループに関する本を出版できればと考えている。難しければ、本申請研究の最終年度である平成29年度には出版する。 出版に際して、最終的な事実確認や最後の資料収集のために、9月頃にドイツ調査を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
実際は当該年度の所要額を使い切っているのだが、少しだけ所要額を超えた分があり、清算が翌年度になってしまったために、次年度使用額が生じている。
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次年度使用額の使用計画 |
新年度になり研究費が振り込まれればすぐに上記の次年度使用額は清算されるので、使用計画は必要ない。
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