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2016 年度 実施状況報告書

グリーンイノベーションの国際移転:中国とインドの風力・太陽光産業の比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K16163
研究機関立命館大学

研究代表者

林 大祐  立命館大学, 国際関係学部, 准教授 (50732848)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワードイノベーション / 技術変化 / 技術移転 / 学習効果 / 風力発電 / 太陽光発電 / 中国 / インド
研究実績の概要

平成28年度の研究課題は、1.中国の風力産業を対象とした学習効果(経験蓄積による効率性の向上)に関する論文修正作業を完了させること、2.インドの風力産業の技術移転戦略に関する論文を学会報告すること、3.インドの太陽光産業の技術移転戦略に関する現地調査を行うこと、4.インドの風力産業を対象とした学習効果分析の論文を執筆することであった。以下、各課題に関する研究実績を記す。
課題1:パネルデータ分析によって、2006~2011年の中国の風力産業の拡大期において、急増した風力発電に対して出力抑制を行なったことが、風力技術メーカーおよび発電事業者による学習効果を妨げたことを明らかにした。本論文は、国際学術誌の査読を受けて修正作業を行なったが、採択には至らなかったため、引き続き修正作業を要する。
課題2:インタビュー調査に基づき、インドの風力産業では、技術そのもの(ハード)と基礎的な技術知識(ソフト)の移転が技術移転の多くを占めており、技術革新を行うための高度な技術知識の移転が不足していることを明らかにした。本論文は、2016年12月に、ナイロビ(ケニア)で開催されたEarth System Governance学会で報告した。
課題3:インドの太陽光産業の現状を把握するために、2016年10月に、ムンバイ(インド)で開催されたInterSolar Indiaという太陽光産業のイベントに参加し、情報収集を行なった。
課題4:インドの風力産業における学習効果分析のために、2000~2012年にインドで実施された258の風力発電プロジェクトから、分析に必要なデータの約8割を収集した。
中国とインドは、海外技術の獲得に積極的に取組み、風力・太陽光産業の市場リーダーとしての地位を確立しつつあるため、上記の研究から技術移転および学習効果に関する有益な示唆を期待できる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

中国の風力産業における学習効果分析の論文修正に多大な労力を要しており、その他の作業が遅れている。具体的には、平成28年度に完了する予定であった、インドの太陽光産業の技術移転戦略に関するインタビュー調査、および、インドの風力産業を対象とした学習効果分析が半分程度の進捗である。

今後の研究の推進方策

平成29年度は、前年度までの研究課題で未完了となっているものを、論文としてまとめることに注力する。具体的な研究課題として、1.中国の風力産業における学習効果分析の論文を修正し、別の国際学術誌に投稿すること、2.インドの風力産業の技術移転戦略に関する論文を完成させ、国際学術誌に投稿すること、3.インドの太陽光産業の技術移転戦略に関する現地調査およびデータ分析を行うこと、4.インドの風力産業を対象とした学習効果分析の論文を執筆することを挙げる。

次年度使用額が生じた理由

平成28年度に、インドの太陽光産業の技術移転戦略に関するインタビュー調査を予定していたが、研究作業の遅れから、当該産業の現状把握のための短期間の調査に切り替えた。この予備的な調査は、立命館大学から支給された個人研究予算で行なったため、結果として次年度使用額が生じることとなった。

次年度使用額の使用計画

平成28年度の未使用予算は、平成29年度に実施するインドの太陽光産業へのインタビュー調査に充てる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Globalizing Strategies for Low-Carbon Technology Transfer: A Case of India's Wind Power Industry2016

    • 著者名/発表者名
      Daisuke Hayashi
    • 学会等名
      2016 Nairobi Conference on Earth System Governance
    • 発表場所
      ナイロビ(ケニア)
    • 年月日
      2016-12-08
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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