研究課題/領域番号 |
15K16163
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
林 大祐 立命館大学, 国際関係学部, 准教授 (50732848)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | イノベーション / 技術移転 / 学習効果 / エネルギー転換 / 風力発電 / 太陽光発電 / 中国 / インド |
研究実績の概要 |
平成30年度の研究課題は、1.国際学術誌に投稿したインドの風力産業の技術移転戦略に関する論文の査読対応を完了させること、2. インドの太陽光産業の技術移転戦略に関する現地調査を行うこと、3. インドの風力産業を対象とした学習効果分析の論文を執筆することであった。以下に各課題毎の研究実績を記す。 課題1:当該論文の修正を行い、国際学術誌であるEnergy Policyに再投稿し、採択の結果を得た。 課題2:2018年8、9月に、インドで再生可能エネルギー政策に関する現地調査を実施した。その際、インド・デリーにあるJawaharlal Nehru Universityで、中国とインドの風力・太陽光発電産業の技術変化に関する研究報告を行なった。 課題3:インドの風力発電産業のみを分析対象とした場合、新規性に欠けることが分かったため、本研究課題の範疇で方針を修正し、中国とインドのエネルギー転換政策の比較分析を行うことにした。この研究課題は、Georgetown Journal of Asian Affairsに出版した「Energy Transitions in China and India: Leapfrogging in Wind and Solar Power Technology」を発展させるもので、これまでの作業との親和性も高い。平成30年度末までに文献調査を済ませ、分析枠組の構築に着手した。 上記の研究を通じて、化石燃料から再生可能エネルギーへの急速な転換を進める中国とインドの技術戦略及び政策支援を明らかにし、新興国における低炭素型エネルギーシステムへの移行戦略に関する示唆を得ることができる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国際学術誌に投稿した2本の論文の査読対応に多大な労力を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
平成31年度の研究課題は、中国とインドのエネルギー転換政策の比較分析に関する論文を執筆し、学会報告を経て、国際学術誌に投稿することである。
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次年度使用額が生じた理由 |
これまでに国際学術誌に投稿した論文の査読対応や大学業務で多忙を極めたため、中国やインドでの現地調査を十分に実施できていないことが主な理由である。 未使用予算は、平成31年度に実施する中国とインドのエネルギー転換政策の比較分析に要する現地調査、論文執筆、学会報告などの費用に充てる予定である。具体的には、2019年6月にカナダで開催される「International Sustainability Transitions Conference 2019」での研究報告、8、9月頃に中国での現地調査、12月にチリで開催される国連気候変動枠組条約第25回締約国会議への参加、2020年1、2月頃にインドでの現地調査を予定している。
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