本研究は,ケア提供者(介護職員,看護師)が持続的に能力を発揮できる環境を実現するためにケア支援情報技術の開発・導入時の様々な課題を分析し,必要となる要件を明らかにすることを目的としたものであった.介護施設と大学病院を対象とし,調査と問題解決を兼ねた手法であるアクションリサーチにより実施した.作業の文脈依存性が高く,社会保険などの社会制度からの影響が大きいケアの現場では,単なる技術開発では現場に根ざした深い問題の解決は困難であると考え,ケア支援技術導入を行いながら調査を実施し,技術特性とケア特性の関係性の中から重要な問題の特定を図った.
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