研究課題
若手研究(B)
遺伝的な色覚の多様性が、視覚的注意を反映する視線行動、視覚対象への印象にどのように影響するかを明らかにすることを目的とした。様々な色覚を有する参加者を対象とし、絵画鑑賞中の視線計測、絵画に対する感性評価を行った。その結果、画像特徴や色覚型を反映して視覚的注意が異なった。また、色覚の違いは色彩的印象の個人差に大きく影響し、長期間の色覚経験も印象に反映されていることが示唆された。本研究は、先天的な要因が、後天的な要因とも相互作用しながら、多様な行動様式や感性を作り出していることを実験的に示すことに成功した。得られた成果は、多様性に配慮したデザインの制作につながるなど社会への還元が期待できる。
視覚学