研究課題/領域番号 |
15K16173
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研究機関 | 神戸芸術工科大学 |
研究代表者 |
宮本 万理子 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 助教 (60633790)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 環境シミュレーション / 環境デザイン / 地方創生 / 都市政策 / オープンスペース |
研究実績の概要 |
次の2つのテーマで研究を進めた。 (1)国内の事例として,地方都市である香川県をとりあげ,日照,水路,土壌等を指標として環境シミュレーションを行った。その結果,坂出市を対象として,金時みかん(215セル,17.8%),金時芋(118セル,9.8%),金時人参(55セル,4.0%)は土壌によって,水田(380セル,31.5%)は水路によって適正地が規定されていることが解明された。また,ソーラーシェアリング手法の可能性を日照条件(秋の9:00~15:00に日影がないエリア)によって算出した結果,362セル,30.3%が適正地として抽出され,食糧・エネルギー自給率を向上させることが可能であることが示唆された。本研究成果は,建築学会梗概集2016においてまとめられている。 (2)風・温熱環境等を指標とした都市政策が既に行われている海外先進事例を対象として,オープンスペースに関する基礎調査および研究協力体制の確立を行った。具体的には,ドイツ(ドルトムント,ハノーファー)および兵庫県(神戸市)を対象として,オープンスペース(O.S.)の実態把握とその類型化を行った。O.S.の実態把握の為,両都市における都市計画図,空中写真の収集,現地調査等の基礎調査を行った。本研究成果は,神戸芸術工科大学紀要「芸術工学」2017において報告書としてまとめられる予定である。 以上2点を踏まえたうえで,計画論からみた環境デザイン事例の実態解明および比較検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画であった1)地方都市である坂出市を国内先進事例として,日照条件等を指標として環境シミュレーションを行い,その結果をもとに今後の地方都市の土地利用政策の方法論について検討する,2)風・温熱環境等を指標とした都市政策が既に行われている海外先進事例を対象として,オープンスペースに関する基礎調査および研究協力体制の確立を行う,といった内容は,申請者が体調不良で長期休職していたため計画当初よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
3年目は,次の3つのテーマで研究を進める。 (1)現在スマートシティ構想を掲げている神戸市をとりあげ,風・温熱環境を指標として環境シミュレーションを行った成果を具体的な政策やデザインへの展開可能性を模索する。 (2)地方都市である坂出市をとりあげ,日照条件等を指標として環境シミュレーションを行った成果を具体的な政策やデザインへの展開可能性を模索する。 (3)海外先進事例(ドイツ等)におけるオープンスペースを対象として,基礎調査(オープンスペースの実態把握)の成果を踏まえ,都市政策(都市および地方都市)への適応可能性を模索する。
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次年度使用額が生じた理由 |
1.調査・研究費:(1)海外先進事例調査のための出張費予算計画をたてていたが,別途学内共同研究費からの支出が決定したため科研費からの予算執行を行わなかった。(2)調査・研究旅費(東京・兵庫等)の予算計画をたてていたが,体調不良のため参加を見合わせたため科研費からの予算執行を行わなかった。 2.設備備品費:(1)ノートパソコン・書類作成ソフト購入のための予算計画をたてていたが,前年度学内研究費からの支出が決定したため科研費からの予算執行を行わなかった。(2)画像処理ソフト購入のための予算計画をたてていたが,学内共通ライセンス使用が可能となったため科研費からの予算執行を行わなかった。(3)統計解析ソフト購入のための予算計画をたてていたが,前年度科研費から支出したため今年度の予算執行を行わなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
研究を遂行する上での一通りの設備備品は揃ったため,研究協力者を増員するため,設備備品費に使用する予定である。
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