研究課題/領域番号 |
15K16174
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
渡辺 健太郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 人工知能研究センター, 研究員 (10635808)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 非構造化モデリング / サービス / デザイン / 意味づけ |
研究実績の概要 |
平成27年度は主に下記の研究項目を実施した。 (1)サービス業務の非構造化モデリング過程・結果の調査:まず、介護・看護サービス現場に適用された、既存の業務デザイン支援ツールや業務記録支援ツールの活用状況をインタビューやアンケート等を通じて確認し、同支援ツールを使った業務デザイン・記録に求められる要件や、デザイン事例の利活用に必要な検索・分析に関する要件調査を行った。また、デザイン事例を分析し、典型的に表れるパターンやそれに対する意味づけの可能性を考察した。 (2)意味づけ手法の開発:(1)の調査を踏まえ、デザイン事例の要素やその関係に意味づけを行うための手法を開発した。まず、デザイン事例に表れる表現パターンの分析・意味付けプロセスの開発を行った。また、ユーザ自身による意味づけも効率的に支援するためのインタフェース開発を並行して実施した。本インタフェースは非構造化モデリングの簡便性・柔軟性を損なわない方法によるものである。また、過去のサービス内容や設備情報等、他のデータソースとの関連づけが行えるよう、データ構造を上述のインタフェースに紐付ける形で構築した。これにより、表現データをサーバに蓄積することで、テキスト検索等で得られた用語等をキーワードにして他アプリケーションの関連情報と紐づけ、表現データに更なる意味づけを付与することが可能となった。本開発は、従業員によるモデリングの特徴やテーマ、他に活用しているデータソースの存在等、実際の現場での活用状況の理解が不可欠であることから、サービス現場の従業員と連携し、プロトタイプ試作と試用を繰り返しながら、非構造化モデリング結果に対する意味づけに必要な手法の研究を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
要件分析、意味づけ手法の開発を進め、他データソースとの関連づけについても技術的に可能となった。当初予定していた画像解析についてはまだ一部十分進められていない点もあるが、概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度以降は、意味づけ手法の開発と並行し、下記の研究項目を実施する予定である。 (3)検索・活用手法の開発 意味づけ手法により付与された意味タグを用いた、業務のデザイン事例の検索・活用手法を開発する。介護サービスであれば、例えば現場の状況・目的に合わせた介護内容(例えば、食事介護)のベストプラクティスを検索・表示する、といった機能が考えられる。本研究項目についても、従業員と連携し、従業員が実際に必要とする手法、並びにプロトタイプの開発を行う。 (4)複数の現場導入・効果検証 開発した手法の汎用性を高めるため、他の同種・異種のサービス現場(教育・健康増進支援・製造サービス、等)にプロトタイプを適用し、各サービス業態、現場で共通あるいは個別の機能要件、及び使い方の確認を行い、手法の汎用化を実現する。
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次年度使用額が生じた理由 |
現有の情報機器で研究を推進することができたため
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次年度使用額の使用計画 |
データ分析用ソフトウェア、追加の成果発表(旅費、参加費等)等に使用予定
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