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2017 年度 実施状況報告書

茅資源の伝統的利用技術に着目した持続的建築生産のトレーニングプログラムの実践

研究課題

研究課題/領域番号 15K16182
研究機関香川大学

研究代表者

釜床 美也子  香川大学, 工学部, 助教 (00635948)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード伝統構法 / 茅
研究実績の概要

平成29年10月~平成30年2月の間、産休および育児休業を取得したため、その間研究が中断した。そのため、平成30年度まで期間を延長した。
研究計画の「(A)調査研究」に関しては、瀬戸内のタバコ乾燥小屋に使用された茅葺きの構法を、実測と資料に基づき明らかにした。特に、新規の写真資料により広島式とみられる越屋根を持つ茅葺きのタバコ乾燥小屋の存在が明らかになったのが大きな成果であった。昭和6年のタバコ乾燥小屋の建築に関する指導書では、越屋根のない広島式は排気力に乏しいと述べ、特に広島式で夫婦建とする場合は排気を促進するために小規模の越屋根を設ける必要があるとされていた。建坪が大きい場合には排湿を促進する目的で越屋根を設けた可能性が高く、折衷式の試作のような茅葺きが存在していたことが明らかになった。また、四国南西部に多数残存する小規模な茶堂の茅葺きの構法について調査を行った。茶堂は、主屋と同様の技術で葺かれることが分かったが、棟に関しては、ススキや杉皮を用いて簡単に仕舞をする素朴な技術が確認された。また、茅葺きの主屋が3棟残存していた愛媛県松野町にて調査を行い、南予の茅葺き技術としての主屋と簡易な建物との差異を確認した。さらに、藁葺きの主屋の茅葺き構法を確認するため、松山平野の愛媛県伊予市にて角屋の藁葺きの貴重な残存事例であったT家住宅主屋の調査を行い、規模の拡大過程や屋根が直屋から角屋になるまでの過程を明らかにした。
研究計画の「(B)プログラムの実践」に関しては、単発での香川大学の構内にて藁葺きの小屋を制作するワークショップを実施し、参加者に対してアンケート調査を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初は平成29年度までの研究であったが、産休および育児休業のために平成28年4月~平成29年3月、平成29年10月~平成30年2月の1年5ヶ月の中断があったため、研究は遅れている。特に、「(B)プログラムの実践」に関しては、秋から冬にかけて実践する内容であるが、2年連続でその機会を逸することになった。
「(A)調査研究」に関しては、実施時期が問題にならない場合が多かったため、調査対象は新たな対象も加えながら順調に実施できたと考える。想定していた簡易工作物の構法の事例調査の数は概ね達成できたと思われる。
以上を総合して「やや遅れている」と判断した。

今後の研究の推進方策

平成30年度は「(B)プログラムの実践」の実施が必須と考える。これまでの「(A)調査研究」で得た知見をもとに1年で実施可能なプログラムを再考して実施する。「(A)調査研究」に関しては、ほぼ調査を終えていることから、補足調査のみ追加で実施する。

次年度使用額が生じた理由

・理由;平成29年10月~平成30年2月の間、産休および育児休業を取得したため、その間に実施予定だった研究のための経費を平成30年度に使用することになった。
・使用計画;ワークショップを開催する際の旅費、人件費・謝金、消耗品費として支出予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 瀬戸内地域を中心とした黄色種のタバコ乾燥小屋の構法2017

    • 著者名/発表者名
      KAMATOKO Miyako、MIYAMOTO Mitsuhiro
    • 雑誌名

      日本建築学会計画系論文集

      巻: 82 ページ: 2815~2825

    • DOI

      https://doi.org/10.3130/aija.82.2815

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2018-12-17  

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