研究課題/領域番号 |
15K16183
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
黒光 貴峰 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (50452925)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 防災教育 / 教材開発 / 模型教材 / 掲示型教材 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、防災の視点を取り入れた家庭科住居領域での教材開発を中心に研究を進めた。研究方法は、1)教育現場の実態の把握、2)家庭科住居領域での教材開発である。具体的には、1)は、鹿児島県高等学校の家庭科担当の全教員224名を対象にアンケート調査を行った。調査内容は、家庭科に対する意識や教えやすさなど授業の実態把握、教材の収集や活用など教材の実態把握、担当科目や時間数など教員の実態把握に関する項目である。調査時期は2015年12月、有効回収数(回収率)は57票(25.5%)である。2)については、関連する学会、シンポジウム等への参加を行い、現在、開発されている防災教育教材の資料収集、分析を行った。 1)2)の結果を踏まえ、防災教育教材の開発を行った。開発した教材は、①模型教材と②掲示型教材である。①模型教材は、8畳の部屋とベッド・机・椅子・棚など一般の家庭に置かれている家具を縮尺10分の1で作成し、家具を自由に動かしながら自分が考えた箇所に配置していく中で、安全を考えた室内環境の整え方を学習できる教材となっている。②掲示型教材は、大雨・台風、地震・津波、火山爆発などの災害を取り上げ、それぞれ場面、状況に応じた災害時の対応や対策など安全な住まい方について学べる教材となっている。教育対象を教室に取り入れることが難しいという住居領域の問題に対しては、タブレットや電子黒板などICTの活用方法の検討を、苦手意識が強い住居領域に対しては、指導計画の立案、学習指導案の作成を行った。 平成28年度は、開発した教材を実際の教育現場で実施し開発教材の有効性の検証を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度の研究目的であった1)教育現場の実態把握、2)家庭科住居領域での教材開発を計画通り行うことが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、開発した教材を実際の教育現場で実施し開発教材の有効性の検証を行う。研究方法は、1)教育現場での実施、2)有効性の検討である。具体的には、1)は、附属学校等の協力を得て、実際の教育現場で開発した教材を使った授業を行う(可能であれば、附属学校以外、複数の学校での実施も行う)。2)は、(1)教材実施に要する時間、(2)実施課題の完成度、(3)開発教材を使った授業に対する学習対象者の反応、の3つの視点から行う。(1)は開発教材の学習に要した時間の計測、(2)は評価基準を設定し学習者が学習目標に達しているか、(3)は開発教材、授業に関する授業者並びに学習者へのアンケート調査の分析により行う。
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