高知大学医学部倫理委員会の承認のもと、成人健常ボランティア20名(50代)を対象としたショウガ(1,3,5%)配合口腔内崩壊(OD)錠の唾液中サブスタンスP(SP)を指標とした嚥下機能評価試験(単回試験)を実施した。その結果、1%と3%には有意な差はなく、5%では負のフィードバックと考えられる動態を示したため、1%ショウガ配合口腔内崩壊錠を最適配合量とした。 1%ショウガ配合OD錠を用いて、20~90代の健常成人58名に対して、唾液中SP量を指標として嚥下機能評価試験を実施した。その結果、ショウガ配合OD錠服用前のにおいて、年齢と唾液中SP量に有意な負の相関が認められた。また、年齢による層別化(20~39歳、40~59歳、60歳以上)した場合、すべての年齢層において、ショウガ配合OD錠服用により有意に唾液中SP量の上昇が認められた。 さらに、58名のうち同意の得られた16名に対し、嚥下内視鏡検査を実施した。ショウガ配合OD錠服用により、内視鏡所見のスコア評価の改善が認められた。このことより、ショウガ配合OD錠は嚥下に関与するSPの上昇だけでなく、臨床上、嚥下機能を改善することが示唆された。 反復服用試験は、12名(50歳代)を対象に実施した。長期投与試験の結果、ショウガ配合OD錠服用前と服用14日目の服用前の唾液中SP量に差は認められなかった。また、14日後においてもショウガ配合OD錠服用により、唾液中SP量がプラセボく比べ有意に高値を示した。また、服用期間中、特に有害事象と思われる自覚症状はすべての被験者で認められなかった。このことより、ショウガ配合OD錠の反復服用による安全性と有効性が確認された。これらのことより、ショウガ配合OD錠は口腔局所のTRPV1受容体を刺激することにより、加齢に伴う嚥下機能の低下を改善することが示唆された。
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