本研究では主に懸濁物質を添加した際の再結晶化制御に関する検討を行い,新たに以下の成果を得る事ができた.①特定のシリカ粒子やセルロース繊維が水溶液中に存在すると氷の再結晶化速度は低下する.②氷の再結晶化が確認できる上限温度は縣濁物の有無に関わらずスクロース溶液であれば-4℃,グルコース溶液では-3℃付近となる.③再結晶化速度定数のアレニウスプロットは何れの溶液も-10~-30℃の範囲で単一な直線となるが,特定の温度から単一でなくなる。④氷の再結晶化が確認される上限温度(-4℃)で保持した際の融解潜熱量は懸濁物を添加すると保持時間と共に減少する傾向が見られた.
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