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2016 年度 実施状況報告書

新規苦味センサーを用いた苦味抑制物質の同定

研究課題

研究課題/領域番号 15K16192
研究機関高崎健康福祉大学

研究代表者

永井 俊匡  高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 准教授 (50451844)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード味覚受容体 / Gタンパク質共役型受容体 / セルベースアッセイ
研究実績の概要

報告者は、これまでの研究によって得た培養細胞によるアッセイ技術、および構造と機能の関係性や苦味受容体の抑制効果の知見を活かし、より効率的な苦味受容体アッセイ系(苦味センサー)の開発を計画した。これまでに、新たに報告されたアッセイ系[Inoue et al., Nat. Methods (2012), 9, 1021-1029]を苦味受容体に適応し、プレートリーダーのような汎用性の高い機器で測定可能な、有用性が高い苦味センサーの構築に成功しつつあるが[H25-26 若手B, 課題番号25750028]、その応答は未だ微弱である。そこで以下の3つのステップを経て改良を加え、ハイスループットスクリーニングに耐えうる高性能な苦味センサーの構築を目指した。
ステップ1: hTAS2R16およびhTAS2R38にマッチした効率の良いアッセイ系に最適化する。ステップ2: 構築したアッセイ系に酸性物質を適用し、抑制試験を行う。ステップ3: 構築したアッセイ系で、25種すべての苦味受容体のリガンド応答性を検討する。
平成27年度および28年度はこのうち、ステップ1について検討を行った。まず平成27年度に、本アッセイ系はGタンパク質以降のシグナル伝達系が、十分機能していないことが示唆された。そこで28年度には、Gタンパク質の一過性発現条件の検討、および安定発現株構築を試みた。
一過性発現条件の検討については、導入するDNA量の最適化を行った。その結果、最適化された条件下で、応答が約30%向上した。安定発現株については、17クローンの発現株を構築し、うち5クローンの応答性を解析した。その結果、1つのクローンでおよそ2倍の応答性向上が検出された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初、苦味センサー構築のために次の3つのステップを計画した。すなわち、ステップ1: hTAS2R16およびhTAS2R38にマッチした効率の良いアッセイ系に最適化する。ステップ2: 構築したアッセイ系に酸性物質を適用し、抑制試験を行う。ステップ3: 構築したアッセイ系で、25種すべての苦味受容体のリガンド応答性を検討する。
現在、ステップ1を検討中である。平成27年度には微弱な応答の要因を絞ることに成功し、平成28年度にその対策について解析を進めた。その結果、応答性の向上に成功したが、ステップ2に進むことはできなかった。

今後の研究の推進方策

平成29年度は、高性能な苦味センサーの構築にむけて、平成28年度のステップ1の継続、および現時点で構築済みの系を用いてステップ2~3の試験を、並行して進める。平成28年度の成果として、応答性の向上に成功し、未だ十分とまでは言えないものの、ステップ2を進められるものと考える。苦味抑制物質の候補としては、発酵食品、苦味を有するポリフェノール類を含有する食品を中心に選定する予定である。

次年度使用額が生じた理由

キャンペーン価格の利用によって、当初予算よりも安く抑えられた。

次年度使用額の使用計画

プラスチック消耗品の購入に充て、研究体制の強化を図る。

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公開日: 2018-01-16  

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