本研究では研究実績が少ない高極性物質に着目し、加工食品中の挙動に関する基礎的な知見を得ることを目的として、1)終末糖化産物AGEsの定量法の開発と食品試料への適用、2)新奇メイラード反応生成物の探索と同定という2つのテーマを軸にして研究を進めた。 1)において、簡便なLC-MS/MS定量法を構築し、本法を用いて様々な醤油やビール系飲料を分析した。原材料・製造法や貯蔵条件によって形成するAGEsに差が見られたため、食品の品質評価に応用できる可能性が示された。2)において、カルノシンとキシロースの加熱溶液から450 nmに極大吸収を示す化合物を単離し、構造を明らかにするとともに、抗酸化性を評価した。
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