本研究では、氷温域での熟成処理(氷温熟成)による食肉の脂肪融点低下・呈味成分とヒトの食味への影響を解析し、食肉の食味向上技術としての確立を目的とした。分析型官能評価の結果において、氷温熟成豚肉は脂の広がりが良い、また脂っぽい香りが強いと評価された。これまで氷温熟成した豚肉において、皮下脂肪部の脂肪融点が低下する結果が得られていることから、本結果は脂肪融点の低下が関与している可能性がある。以上のことから、氷温域を利用した食肉の熟成処理は、脂肪融点を低下させ、脂の広がりと脂っぽい香りを向上させることで、食肉の付加価値を向上させる可能性が示唆された。
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