近年、脳の高次機能や神経疾患と栄養摂取との関係が注目されている。中でもn-3系多価不飽和脂肪酸の摂取不足は精神疾患を誘発することが数多く報告されているが、その分子基盤は不明である。本申請では、アストロサイトに強く発現し、n-3系多価不飽和脂肪酸に親和性を持つFABP7分子に着目し、細胞外部刺激応答の開始点である脂質ラフトの機能制御との関連を検証した。その結果、1. FABP7は脂質ラフト骨格蛋白質caveolin-1の発現を制御することでアストロサイト細胞外部刺激応答を調節すること、2. FABP7-KOアストロサイト由来の液性因子の産生異常が、神経可塑性を変化させること、が判明した。
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