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2015 年度 実施状況報告書

クエン酸は呼吸器疾患に有効な食品成分となり得るか?

研究課題

研究課題/領域番号 15K16218
研究機関昭和女子大学

研究代表者

渡辺 睦行  昭和女子大学, 生活機構研究科, 准教授 (90365809)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード低酸素 / クエン酸
研究実績の概要

低酸素は呼吸器疾患に共通する病態である。これまで、低酸素曝露されたラットでは肝臓のグリコーゲン量が低下することを明らかにしており、このグリコーゲン量の低下が呼吸器疾患患者における日常生活動作(ADL)の低下の一因になる可能性を示してきた。一方で、ラットに予めクエン酸を投与しておくと、低酸素曝露をしても肝臓グリコーゲン量が低下しないことも明らかにしてきており、クエン酸の投与がADLの低下を防止し得る可能性も示してきた。
しかし、低酸素曝露により肝臓グリコーゲン量が低下すると本当にADLが低下するのか、また、クエン酸摂取によって、ADLの低下は防止されるのか、については不明であった。
そこで本年度は、ラット回転ケージを用いた自発運動量の測定により、低酸素曝露とクエン酸の投与がADLに及ぼす影響を明らかにすることを目的として研究を実施した。
その結果、ラットへの低酸素曝露は有意に自発運動量を低下させるが、予めクエン酸を摂取させておくと自発運動量の低下は有意ではなくなった。さらに、クエン酸はグリコーゲンの合成や分解、グルコースの取込みや解糖など、低酸素で生じる生体応答を増強することが、mRNA発現レベルで明らかになった。クエン酸の摂取は呼吸器疾患患者におけるADLの低下を予防し得る可能性が示された。本研究の結果は、呼吸器疾患患者だけでなく、高山病の予防や、高地トレーニングの成功などへの応用が期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成27年度に予定していた「クエン酸の摂取が低酸素誘導性の自発運動量の低下を抑制するのか?」については、ほぼ予定通り分析が進んだ。低酸素誘導因子についての分析はまだ実施していないが、平成28年度中には分析する予定である。また、平成28年度に予定していたラットの飼育を前倒して実施することが出来ていることから、研究そのものについては概ね順調に進行しているものと評価した。

今後の研究の推進方策

平成28年度は、低酸素誘導因子の分析と、各臓器における炎症の評価を実施する予定である。

次年度使用額が生じた理由

予算申請時と予算使用時では、物品等の価格が変動するため。

次年度使用額の使用計画

次年度の研究費と合算して消耗品を購入予定

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 低酸素曝露により生じるラットの糖質代謝と自発運動量の変化に対するクエン酸投与の影響2016

    • 著者名/発表者名
      原百合恵・渡辺睦行
    • 学会等名
      第70回日本栄養・食糧学会大会
    • 発表場所
      武庫川女子大学(兵庫県・西宮市)
    • 年月日
      2016-05-13 – 2016-05-15

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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