研究課題/領域番号 |
15K16219
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
煙山 紀子 東京農業大学, 応用生物科学部, 助教 (50747350)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | NASH / SREBP-1 / 脂質代謝 / 転写因子 / RNA-Seq |
研究実績の概要 |
生活習慣病のような長期エネルギー代謝は主に転写レベルで調節され、上流で制御する転写因子の役割が重要である。本研究は、食事によって活性が著明に変動する脂質合成制御転写因子Sterol regulatory element-binding protein (SREBP)-1 の、非アルコール性脂肪性肝炎における病態生理学的役割について、SREBP-1KO マウスを用いて解明する事を目的とする。本年度は、マウスで見られたフェノタイプの分子メカニズムを解明するため、肝培養細胞を用いて以下の網羅的な解析に供した。
(1)遺伝子発現プロファイルの網羅的解析:肝癌由来培養細胞であるHepG2細胞を用いて、siRNAによりSREBP-1の発現をノックダウンする系を構築した。
(2)上記の培養細胞を小胞体ストレス状態に処置し、SREBP-1の有無における遺伝子発現を、小胞体ストレス関連を評価するとともに、次世代シーケンサ―を用いたRNA-Seqを行い、遺伝子発現パターンの網羅的プロファイリング、発現が増加あるいは減少している遺伝子のクラスタリングを行った。その結果、SREBP-1のノックダウン群では、脂質代謝系だけではなく、小胞体ストレス処置により上昇する免疫系に関わる遺伝子発現の低下が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
培養細胞を用いた実験系により、SREBP-1の有無で、新規性のある遺伝子を抽出できたため
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今後の研究の推進方策 |
昨年度までにおこなった実験系を更に発展させ、SREBP-1が免疫系の遺伝子発現も司っているかどうか、過剰発現系やプロモーター解析を行い、精査する。 また、in vivo の結果も併せて、SREBP-1がNASH病態における役割を総合的に評価する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
RNA-Seqの費用が、学内の施設を使用でき、本年度までは文部科学省のプロジェクトのため、金額がかからなかったため。
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