褐色脂肪細胞やベージュ脂肪細胞はミトコンドリアを多く保有する細胞であり、UCP1を介した熱産生によって体温の保持等に寄与している。これらの細胞はエネルギーの消費を亢進する事から、肥満や代謝疾患に関する研究のターゲットとして注目されている。PPARγのアゴニストがマウスの白色脂肪組織においてベージュ脂肪細胞の分化を促進するとの報告から、我々はPPARγの発現を誘導する事が知られているα-トコフェロールに着目し、その効果を検討した。本研究の結果から、α-トコフェロールが熱産生型脂肪細胞の分化を促進し、その作用機序にはPPARγのコアクチベーターであるPGC-1αの発現誘導が関与する事が示唆された。
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