3年目の2017年度には、ポリフェノール定量値のさらなる蓄積と、ポリフェノール摂取量の個人内変動や個人間変動を調べてポリフェノール摂取量調査方法に関する検討に加え、ポリフェノール摂取量と関連する血液パラメーターの探索を行った。 ポリフェノール定量値の蓄積では、これまでの実施できなかった食材のポリフェノール含有量を測定し、さらに推定可能な食材に関しては推定値を定めるために原材料からの計算などを行った。 ポリフェノール摂取量調査方法に関して個人内変動、個人間変動を調べた研究では、ポリフェノール摂取量は人による差が大きく、ポリフェノール摂取量を推定する際にはその個人内変動、個人間変動を考慮すべきことが示され、論文発表した(Taguchi C et al. J. Nutr. Sci. Vitaminol.)。 ポリフェノール摂取量と関連する血液パラメーターの探索では、健診を受診した日本人男性7960名を対象に研究を実施した。その結果、ポリフェノール摂取量はいくつかの血液パラメータと関連がみられ、特にポリフェノール摂取量が多いほどγ-GTPの値が低いことを見出し、第11回日本ポリフェノール学会年次大会にて「ポリフェノール摂取量と血清γ-glutamyltransferase濃度との関連性の検討」を一般演題発表し、論文発表した(Taguchi C et al. Eur. J. Nutr.)。 また、初年度からこれまでの研究成果を含め、第15回日本機能性食品医用学会総会のシンポジウムにおいて「日本人のポリフェノール摂取状況に関する知見」と題した内容で講演した。
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