研究課題/領域番号 |
15K16231
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山下 修矢 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 研究員 (40706355)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 食品摂取パターン / 食品因子感知遺伝子 / 組み合わせ / コホート |
研究実績の概要 |
日本食は多彩な食素材を有しており、この食の多様性が我が国の健康長寿を支えてきたことが考えられる。しかしながら、食の多様性の重要性を裏付ける科学的根拠は乏しい。本研究では、多様な食品の間で起こる機能的相互作用について解明し、健康長寿に貢献する食の多様性の重要性の科学的根拠を提示することを目的とした。我が国でも有数の健康長寿地域である静岡県掛川市に在住する市民において、食品感受性評価チップを用い種々の食品因子感知遺伝子の発現量を一斉測定した。食品・食品因子の摂取量の情報については食物摂取頻度調査票を用いたアンケート調査により取得した。非喫煙者835名の食品因子感知遺伝子の発現量と食品・食品因子の摂取量との関係について一般線形モデルを用いた解析を実施した。その結果、多く摂取することで食品・食品因子感知遺伝子発現量が増加する複数の食品・食品因子を明らかにした。また、それらの関係をまとめたヒートマップを作成した。食品因子感知遺伝子の発現量を高める食品・食品因子の“組み合わせ摂取パターン”の解析を実施し、共に摂取することで食品因子感知遺伝子の発現量が高まる2種類の食品・食品因子の“組み合わせパターン”を多数特定した。本結果は、食品・食品因子の組み合わせ効果の新たな機能性を示唆するものであり、大変意義深い。また、食品因子感知遺伝子の発現量を増加させる食品・食品因子摂取パターンは新たな機能性食品の創生に寄与することが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、コホート解析により食品因子感知遺伝子発現量を調節しうる食品・食品因子の摂取パターンについて明らかにすることを目的とした。静岡県掛川市に在住する市民において、食品感受性評価チップを用い種々の食品因子感知遺伝子の発現量を一斉測定した。食品・食品因子の摂取量については食物摂取頻度調査票を用いたアンケート調査により取得した。非喫煙者835名の食品因子感知遺伝子の発現量と食品・食品因子の摂取量との関係について一般線形モデルを用いた解析を実施した。その結果、多く摂取することで食品・食品因子感知遺伝子発現量が増加する食品・食品因子を複数明らかにした。また、それらの関係をまとめたヒートマップを作成した。食品因子感知遺伝子の発現量を高める食品・食品因子の“組み合わせ摂取パターン”の解析を実施し、共に摂取することで食品因子感知遺伝子の発現量が高まる2種類の食品・食品因子の“組み合わせパターン”を多数特定した。研究は概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでのコホート解析により特定した食品因子感知遺伝子の発現量を増加させうる食品・食品因子の組み合わせが食品因子の感知力を高めるか否かを検証する予定である。具体的には、細胞内における食品因子感知遺伝子の下流イベントについて更なるコホート解析を実施することで検証する。また、食品・食品因子の組み合わせ摂取を動物試験に外装し、検証する。最終達成目標は食品の保健作用を効果的に享受できる食品素材の組み合わせを示した「機能性フードペアリング」を作成すること、食わえて新たな機能的価値として「食品因子感知力向上作用」を日本食に付与することである。
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