研究課題/領域番号 |
15K16246
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
加藤 英明 静岡大学, 教育学部, 講師 (10569643)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 教材開発 / カメ類 / 外来種問題 / 遺伝子汚染 / 生物多様性 |
研究実績の概要 |
教材開発において、交雑個体(ニホンイシガメ×クサガメ)のDNAマーカーによる検出を、人体に無害な染色試薬と青色LEDトランスイルミネーターを用いて可能とし、増幅断片DNA検出の様子は、学校等学習現場で小型泳動装置を用いてリアルタイムで観察できるようにした。また、系統学習で用いるカメ類のDNA塩基配列を得るため、野外で捕獲したカメ類から血液を採取し、DNAを抽出してPCR法で増幅し、塩基配列を決定したものを用いて系統樹を作成した。これらを学習プログラムに取り入れることによって、カメ類の系統と遺伝子汚染の現状を身近に感じる学習を可能とした。カメ類を用いた教育プログラムでは、基礎編を作成し、カメの体のつくりや外来生物、動物愛護法に関する講義を協力校で実践した。また、発展的な内容となる系統学習プログラムは、静岡大学において協力校の生徒を対象に実施した。 以上の経過を、静岡大学で開催した第17回日本カメ会議で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
色LEDを用いた安全で目に見えるDNA解析が可能となり、授業普及の見通しが立った。さらに、28年度に計画していた学校・行政・地域が連携したフィールド調査が27年度に2回実施され、28年度には規模を大きくした調査を行う予定である。27年度には、浜松市飯田公園緑化推進センターにおいてもカメ講座を実施した。教員対象の講座では、理科教員150人に対しカメ類を用いた学習プログラムについて提案するとともに、外来種の現状と取り扱いについて周知した。また、県内の小中学約800校において外来生物に関する啓発用リーフレットの配布とカメ類の飼育状況に関する調査を実施し、県内の学校で飼育されているカメ類の中に外来種が数多く含まれることを明らかにした。それらには、交雑したと推測されるものや2016年7月に外来生物法によって飼育が規制される種類が確認され、今後、対応が必要となることが明らかになった。
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今後の研究の推進方策 |
カメ類を用いた学習プログラムの出張講座を実施する。学校教育において、“カメ類に対する知識と正しい接し方に関する教育”を普及するとともに、外来生物法に関わる種類への対応を行う。また、外来カメ類の啓発を目的とした市民参加型カメ調査の実施とカメ類の遺伝子汚染の実態調査を行う。これらの様子は研究会や動物園などで紹介し、外来カメ類の現状報告の他、身近な水辺に生息するカメ類が生物多様性を学ぶために優れた教材となることを示す。
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次年度使用額が生じた理由 |
出張講座等で使用する機器の購入や市民参加型カメ類調査、カメ類の遺伝子汚染の実態調査の実施に必要なため。
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次年度使用額の使用計画 |
講座や調査、実験の実施前に必要な機器を購入する。
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