技術史資料活用にとって有用な情報を複数ユーザーグループから収集するためには,資料の使用経験のあるユーザーと使用経験のないユーザー間で,映像記録等のインターメディアを用いてコミュニケーションの活性化をはかることが有効であり,かつ使用経験のないユーザーからの質問がコミュニケーションの促進要素となることが明らかになった.この際,資料使用経験のないユーザーが資料の使用状況を追体験することで知りたい情報が焦点化されるが,コミュニケーションの場を構築維持するためには,資料に対する関心の度合いや質問行動に対する動機をもとにして使用経験のないユーザーを分類し,質問行動誘発の仕組みを検討する必要がある.
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