スポーツや踊り,あるいは手術の手技といった身体動作を主体とした技能を教えるために,動作における特徴を見出す研究を行った.モーションキャプチャー装置により取得した身体の動きは,全身の個々の関節に注目しても膨大な量であり,その中に潜む意味を踏まえたうえで特徴量を求める,符号化が必要となる. 平成27年度には主に野球での投球動作に注目し,姿勢からフットプラント,トップポジションといった重要なタイミングを判別するシステムを開発した.また全身姿勢を取得する装置を用意せずとも慣性センサから投球数を求める手法も検証した. 平成28年度以降は投球に比べ動作が確立していない,医師の手技についての習熟度評価に取り組んだ.対象として気管挿管に注目し,機械学習により身体動作から熟練者と初学者を確かに識別できることを示した.またその際にどの身体部位,どのような物理量が特徴量となり得るかを求めた.その成果は平成30年度においてはArtificial Intelligence International Conference (A2IC) 2018 および第12回日仏第10回ヨーロッパ・アジアメカトロニクス会議で発表した。 一方,正確さを期する身体技能の習熟度とは別に,リアルタイムでの身体動作情報符号化の実用として,エンターテインメント分野に関わるシステムも開発した.プロジェクタにより映された自身の顔や身体がCGで加工されたりエフェクトが表示されるシステムとして,デジタルコンテンツ博覧会NAGOYAや瀬戸蔵ロボット博2018等で展示を行った.
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