研究課題/領域番号 |
15K16263
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
舘野 泰一 立教大学, 経営学部, 助教 (80714336)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | アカデミックライティング / 振り返り / システム開発 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、大学生がレポートの執筆過程を自分自身で振り返ることを支援するシステムの開発を行うことである。近年のアカデミック・ライティングの教育では、書き上げたレポートそのものを推敲するだけでなく、自分がどのようにレポートを書いたのかという執筆過程そのものを振り返ることが重視されている。しかし、大学生が一人で執筆過程を振り返ることは難しい。そこで、本研究では、大学生がレポートを書いているときの執筆中のログデータをもとに本人の書き方の特徴を把握し、執筆後に振り返りの視点になる「質問」を提示するシステムを開発する。 平成27年度はこれまで開発してきた「レポレコ」及び「レポレコ+」の指導場面のデータをもとに「執筆過程に着目した指導」としてどのようなパターンがあるのかの類型化を目的とした。これまで開発したシステムは、学習者が一人で振り返りことを想定しておらず、チューターとともに振り返ることを前提としていた。ここでのチューターの指導の類型化をすることができれば、システムによる自動的な振り返りを促す質問の提示が実現できると考えられる。以上の分析とともに、平成28年度は、関連する先行研究の検討や、これまで開発したシステムの修正を行ってきた。 当初の計画では、平成27年度中に分析を終えて、システムの開発に移る予定だったが、執筆過程に着目した指導パターンの抽出が困難であり、やや進度が遅れている。よって、平成28年度では、これまでのデータに加え、新たな実践を行ってデータを増やして分析を行うことで、執筆過程そのものを促す問いやタイミングについての知見を抽出し、システムの実装、実践を行っていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
概要に記入した通り、執筆過程そのものを振り返るためのパターンの抽出がやや難航している。具体的には、学習者が執筆過程そのものを振り返るための質問を、学習者がどのような執筆を行っているときに出すとよいのかという、内容とタイミングのパターン抽出をする必要がある。これまで分析していたデータに加え、新たな実践を行い、データを増やして分析を行うことで、システムの実装に必要な基礎的な知見を抽出する必要がある。平成28年度の前半にパターンの抽出を行い、後半にかけてシステムの実装、実践を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の予定は、先ほども示した通り、まず「レポレコ+」を使った実践をあらためて複数行い、新たな対話データを取得し、その分析を行う。この分析を行うことで、システムを開発するための基礎的な知見をまとめ、研究会等での発表を行う。その上で、プロトタイプの作成を行い、検証を行うことで、システムの開発・効果検証につなげていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本来は基礎データをまとめたものを出張をして発表予定だったが、分析に時間がかかっため、出張を次年度に持ち越したため。それにより、物品の購入へと変更を行った。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用予定だった物品費を出張費にあて、研究発表を行う予定である。
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