本研究では,学習者が利用したWeb上にある様々なコンテンツの中から学習に関係するコンテンツを抽出することで,eラーニングシステムの利用履歴とWeb上の学習コンテンツの利用状況を基に個人の学習プロファイルを構築することを目的としている.そのうえで,学習者のレベルに応じた学習関連キーワードの抽出,学習に関連したコンテンツの特定,これらを踏まえたうえでの学習プロファイルの構築をおこなった.学習関連キーワードの抽出と学習関連コンテンツの特定においては,学習者の学習内容である語彙情報を基に,Webニュースの記事内容を学習者がどの程度読み理解することができるかを,記事中に含まれる語彙の可読性レベルを判断して学習者が理解できるかを調査した.学習者のレベルに応じてその記事が学習者の可読性にどの程度あてはまっているかを調べることで,学習コンテンツとして相応しいか否かを判断する仕組みを構築した.これらの集積データを用いて学習プロファイルを構築する仕組みについては,学習者が閲覧したWebページとそれらの語彙情報を基に,学習者の語彙能力を予測することで学習者のテスト成績と関連付けを行った.学習者の語彙能力とテスト成績との関係性は明らかにできなかったが,幅広い学習者にシステムを利用してもらうことで,成績との関係性を解明できるのではないかと考えられる.また,これらの提案システムを改良したうえで引き続き利用し,今後の日本語学習支援システム構築に役立てる.
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