植生調査資料の集積と活用の課題を明らかにし、その社会的共有を促進する運用方法を提案することを目的として、植生調査資料データベース(以下、植生DB)のシステムを試作し約13000点を公開した。研究者や実務者に対し、植生DBの利用や資料の公開・登録に関する意識および資料の所蔵状況に関するアンケートを行い、研究活用への要望や資料の植生DBへの登録意志が高いこと、国内の資料のストックは1960年代以降にものに限られることなどを明らかにした。今後の運用の課題として、入力にかかる時間短縮とコスト削減、時間経過によって高まる資料の散逸・消失の危険性の回避、植生DBの認知度・利用度の向上、が示唆された。
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