研究実績の概要 |
平成29年度は、日本と台湾における斜面崩壊の発生について、これまでの研究をとりまとめた。成果は国際誌に発表するなど、多くの実績をあげた。具体的には、以下の通りである。
1.過去に降雨による多数の斜面崩壊が発生した阿蘇山では、2016年熊本地震に伴い斜面崩壊が発生した。斜面崩壊地を高精細に測量することで、地震と降雨とによる斜面崩壊地の地形的特徴と土砂生産量を明らかにした(Saito et al., 2018, PEPS)。 2.台湾において、リモートセンシングによる斜面崩壊地の抽出手法を検討した(Mondini et al, 2017, International Journal of Applied Earth Observation and Geoinformation)。台湾全域を対象に斜面崩壊の規模と雨量との関係を分析した。また17流域を対象に、斜面崩壊の発生と土砂生産量との関係、および台風との関係を考察した(Chen et al., 2017a, Landslides; Chen et al., 2017b, Landslides; Chen et al., 2018, Geomorphology)。 3.日本国内の特に花崗岩山地を対象に、過去の斜面崩壊の発生と雨量との関係を整理し、斜面崩壊の規模と雨量との関係を明らかにした。またMIROC5のRCP8.5排出シナリオに基づく計算結果を用いて、今後の雨量の変化と斜面崩壊の発生について考察した(投稿準備中)。
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