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2015 年度 実施状況報告書

宅地盛土の地震時安全性評価の実用化に向けたパラメータ解析と地形復元手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K16288
研究機関国土地理院(地理地殻活動研究センター)

研究代表者

中埜 貴元  国土地理院(地理地殻活動研究センター), その他部局等, 研究官 (60511962)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード宅地盛土 / 滑動的変動 / SFM/MVS
研究実績の概要

1.2011年東北地方太平洋沖地震に伴う宅地盛土の滑動崩落被害分布の把握
過去に実施した現地調査結果や各機関・研究者による報告(清田・京川,2011;若松ほか,2011;兵動ほか,2011;釜井,2011;Mori et al., 2012;三嶋ほか,2014など)及び地方公共団体等の行政機関による被害報告を,宮城県を中心に網羅的に収集することにより,本地震に伴う滑動的変動盛土のリストを作成した.その結果,76の滑動的変動盛土が確認され,それらをマッピングした.
2.造成前後の地形データの作成手法の検討
特に造成前の地形データについて,米軍空中写真を用いて,SfM多視点ステレオ写真測量(SfM/MVS)技術により作成する手法を検討した.対象地域は,過去に写真測量により米軍空中写真からデジタル標高モデル(5mメッシュDEM)を作成していた阪神地区とした.使用した米軍空中写真は,1949年撮影の計11枚である.SfM/MVS処理には,Agisoft製PhotoScan Proを用いて,5mメッシュDSMとオルソ画像を作成した.地上基準点(GCP)は,過去の写真測量の際に使用した点のうち,2009年の現地調査(GCPの座標取得)時の目標物が米軍空中写真でも確認できる10点とした.GCPの座標は,VRS-GNSS測量により取得した成果を用いた.また,カメラキャリブレーションはセルフキャリブレーションとした.その結果,概ね良好に三次元モデル(5mメッシュDSM及びオルソ画像)が生成されたが,宅地部や谷合いの森林部では想定よりも起伏の多いDSMデータとなった.そこで,平均化処理によって起伏を滑らかにして,写真測量によるDEMと差分を取ったところ,SfM/MVS処理でDSMが適切に生成されなかった範囲を除くと,概ね±5m以内の差となった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画では,平成27年度に1)2011年東北地方太平洋沖地震に伴う宅地盛土の滑動崩落被害分布の把握と2)造成前後の地形データの作成・精度検証を行うこととしていたが,1)についてはほぼ完了し,2)についても阪神地区では概ね手法の検討が行えたことから,概ね順調に進展していると言える.

今後の研究の推進方策

仙台地区で作成した滑動的変動盛土のリストと造成前後の地形データを用いて,盛土の地震時崩落リスク評価パラメータの改良を行う.併せて,既存の盛土の地震時安全性評価システムに改良後の評価パラメータを実装するために,システムを改良する.また,米軍空中写真とSfM/MVS技術を用いた造成前の地形データの作成手法の検討においては,検証点を用いたより定量的な精度検証や造成後の地形との差分による盛土形状データでの比較,及び他地区での検討を踏まえて,作成手法の改善を図っていく.

次年度使用額が生じた理由

当初購入予定であったソフトウェアよりも研究に有用なソフトウェア一式を購入することとしたが,当該年度の予算では一式を揃えるには予算不足であったため,当該年度は一部だけを購入し,次年度に次年度予算と合わせて残りの部分を購入することとした.また,当初計画の旅費については,予期せぬ災害対応等で計画通り執行できなかった.

次年度使用額の使用計画

次年度使用額は,次年度交付額と合わせることで,残りのソフトウェアの購入に使用する.また,次年度の海外での国際学会発表の際の旅費等として使用する予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] 宅地盛土の地震時安全性評価の実用化に向けたパラメータ解析と 地形復元手法の開発(第1年次)2016

    • 著者名/発表者名
      中埜 貴元
    • 雑誌名

      国土地理院平成27年度調査研究年報

      巻: 2016 ページ: 未定

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり

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公開日: 2017-01-06  

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