近年のオンライン状態監視技術の発達に伴い、ユーザ側の詳細な情報である共変量の逐次的な観測が可能になりつつあり、ユーザ個別の最適な保全が求められている。本研究は、ユーザの使い方や環境といった共変量と劣化の関係をモデリングした累積暴露量を扱っている。そして、未知である累積暴露量の分布の型が、仮定された分布の型と異なる場合でも、共変量の影響を表すパラメータの推定が近似的に可能であることを解析的に示し、シミュレーションによりその有効性を確認した。この結果により、共変量を用いた製品個別の寿命予測への活用の幅が広がった。さらに、ユーザ個別の最適な保全を実装する際のリスクの分析手法も併せて提案した。
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